食品

ビタミンを作り出す乳酸菌

乳酸菌はヨーグルトに含まれているのは有名ですが、もともと私たちの腸内に存在する菌です。
この乳酸菌、お腹の調子を整えてくれるのはもちろんのこと、他にも様々な働きをしています。

乳酸菌の働きの一つに、発酵する際にビタミンCを生成することがあります。
このほかにもビタミンB1・B6・B12といったビタミンB群やビタミンKといったビタミンもつくります。
ビタミンB群は糖類、タンパク質、脂質といった私たちが活動する際のエネルギー源になる
栄養素の分解と代謝に深い関係を持つ栄養素です。

そのためビタミンB群が不足すると疲れやすくなってしまったり、ひどい時には脚気になってしまいます。
このほかにも血液中の赤血球の形成や精神の安定にも効果があるとされていますので、
不足してしまうと日常生活にも影響が出てきます。

ビタミンKも大切です。
血液の凝固や骨の代謝、動脈硬化の予防にも関わってきます。
乳酸菌というとまず第一に連想するのはお腹の調子を整えるですが、こんな働きもあるんですね。

このように私たちの健康に貢献してくれる乳酸菌ですが、良いことばかりというわけでもないようです。
ラクトバシラス属の乳酸菌の中にはアルコールに強く、お酒の製造中に混入してしまうと
酸味や異臭がついてしまって売り物にならなくなってしまいます。
日本酒の場合、これを「火打ち」と呼んで嫌います。

そこでこれらの菌が熱に弱いことを利用して、醸造したお酒を60度以上で加熱することで火打ちを防ぎます。
これを「火入れ」と呼んでいて、江戸時代から行われる日本酒製造過程の一つです。

所変わってワインでも同じようなことがあります。
しかし原因究明のために研究を続けたルイ・パスツールによって
食べ物がどうやって腐敗、腐っていくのかそのメカニズムが解明されました。
さらにはパスチャライゼーションという低温殺菌の方法を確立することにも一役買いました。

この殺菌方法を身近に見られるのが牛乳です。
私たちが普段のむ牛乳は約120度の高温で2秒程度殺菌されています。
しかし水が沸騰するよりも熱を加えれば、少なからずその成分がおかしくなってしまいます。

そこで一部の牛乳はその風味を損なわないために、
60度前後の低温で時間をかけてゆっくりと殺菌をしているのです。

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