食品

善玉菌と悪玉菌

乳酸菌を語る上で、外すことのできないキーワードが善玉菌と悪玉菌です。
何となく善玉菌は体に良くて、悪玉菌は体に悪そうなイメージですが、
じゃあなぜ良いのか、なぜ悪いのかと言われるとわからなくなってしまいますね。

まず善玉菌・悪玉菌というのは乳酸菌を腸内細菌の一種と見なした上での考え方です。
人間の腸内にはたくさんの種類の腸内細菌が含まれています。
これらを腸内環境を説明する上で便宜上、善玉と悪玉に分類しているわけです。
この考え方は19世紀終わりにイリヤ・メチニコフという人が発見した考え方です。
特に変なものを食べたわけでもない人が、感染症や下痢症などになることがこの考え方で説明できます。

一口に善玉・悪玉といってもその働きは様々。
善玉菌は腸内を酸性に保ち、有害な菌の発育を妨げたり、
免疫力を高めるといった有用な働きをしてくれる菌です。

逆に悪玉菌は腸内に腐敗物質をまき散らしたり、
その他の毒素をつくったり、果ては発がん性物質をつくる菌です。
悪玉菌は腸内をアルカリ性にする性質があり、便臭を臭くし、下痢や便秘と言ったトラブルを引き起こします。

また悪玉菌による影響は腸内だけにとどまりません。
悪玉菌がつくった有害物質は、血液に乗って肝臓に届けられます。
肝臓は体中の有害物質を分解し、無毒化するのが大きな仕事。
そのため、少しくらいならば悪玉菌が有害物質を作っても健康を損ねるようなことはありません。

しかし、この量が増え、慢性化すると少しずつ肝臓も弱ってきます。
そして最後には、生活習慣病の原因になったり、老化を進めることにもなってしまうのです。

ちなみに、最近ちまたでよく見るトクホ(特定保健用食品)のうち、
お腹の調子を整えるといった文言が使われているものは大抵乳酸菌が含まれています。
あくまでも食品で薬ではないことから、癌が治るといったことは言えないことになっていますが、
少しずつその優れた効果が解明・証明されようとしているのです。

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